平成27年度 入選作品 広報紙部門(最優秀・第一席)
最優秀
練馬区「ねりま区報」8月1日号
担当者の声
応募作品は、練馬区の魅力を全国に発信する広報キャンペーン「よりどりみどり練馬」を主軸に構成した号である。
キャンペーンの核となるテレビCM参加者募集を1面に配置。メイン写真に撮影風景を出すことで、住民参加型のCM作成イベントであることを分かりやすく表現した。
8面にはみどりにまつわる写真紹介、魅力ある区のみどりを紹介する記事を配置。1面と8面を見開きで見られるようにメインタイトルをわたらせるなど、ダイナミックに作成した。
中面には、子ども向け「夏休み特集号」を折り込み、夏休みの自由研究のテーマを「よりどり」選べるみどりに関連した施設を紹介。各施設で取材した笑顔あふれる子どもたちの写真を多く取り込み、さらにAR動画を利用することで、施設の魅力がより伝わるように心掛けた。
このAR動画をYouTubeに掲載するとともに、特集号の内容をツイッターやフェイスブックでも紹介するなど、ソーシャルメディアの活用も図った。
審査委員コメント
- 1,8面が見開きの展開になる「よりどりみどり練馬」は、ややごちゃごちゃした印象を与えるかもしれないが、むしろそれがある種の活力を生んでいる。おそらくそうした効果をあえて狙ったのだろうが、そうだとすれば成功したと言えるだろうか。子ども向けの同じテーマの折り込みもあり、立体的な紙面づくりが読み手を引き付ける魅力を生み出している。(大井)
- 1面と8面の見開きを用いて大胆な紙面表現が施され、住民の目を惹く紙面である。夏休み特集号は、4つのテーマに分けて情報が編集され、住民に訴求力のある紙面である。また、元気な子どもたちの写真がインパクトのある表現である。AR動画へのアクセス方法も掲載され、広報紙が多メディアへのハブメディアとなっている。(長岡)
掲載紙面
第一席
足立区「あだち広報」3月10日号
担当者の声
「東日本大震災から4年、阪神淡路大震災から20年の今年、もう一度区民 に防災について考えてもらいたい」。
当区の建築部若手職員数名からそんな訴えがあったのは、復興税を使った耐震助成制度申請の最終年度を迎える直前のことだった。
一方で、災害に対する区民の意識が薄れていることが、区の世論調査の「日ごろの備えをしていない」との回答が3割という結果から明らかになった。
いつか必ず起こるといわれる首都直下型地震。大災害を乗り切るためには、行政、個人の「自助」、人々の「共助」のすべてが欠かせないものである。あだち広報3月10日号は、1面で当時を思い返し、見開き面で自身の家族、家庭での備えを見直し、16面で周囲にも目を向けてもらえるよう紙面全体で「災害対策」を訴える、課を越え部を越えたプロジェクトとなった。
1面(表紙)には、東日本大震災発生後の北千住駅の帰宅困難者が列をなしている様子を大きく掲載した。これは、災害対応で北千住駅に向かった当時の広報職員の機転で撮影された映像から切り取ったものだ。当時の混乱の様子がありありとうつるこの映像は、NHKからも提供依頼があるほどだった。
タイトルの「忘れていませんか、あの時の「気持ち」」は、区民自身が当時感じたことを思い出してもらうためだ。
「あだち広報」の「だ」の濁点部分の時計は、東日本大震災と阪神淡路大震災の発生した時刻を表現している。
見開き面では、災害対策として区民の関心の高い備蓄のほか、過去の大震災の教訓から区が備えを訴えている家具の転倒防止助成制度、家屋の震災対策助成制度、災害に備えたハード面での区の取り組みを紹介。
16面(裏表紙)では、震災における「共助」の大切さを訴えるため、地域の絆で災害を乗り切ろうと活動する「町会・自治会」を紹介した。
審査委員コメント
- 応募作は災害対策特集。阪神・淡路大震災から20年を踏まえて区民に新たな視点から防災への意識を高めようとする企画の意図が紙面化され、読み応えのある作品に仕上がった。7,8,9,10面に続く紙面展開も記憶の風化に警鐘をならす意図が十分生かされている。さまざまな課が一つのテーマに結集して本号がつくられたようだが、こうした試みは高く評価したい。(大井)
- 災害対策特集は、住民の目を惹きつける見出しと写真を1面に配置し、災害に対する様々な備え情報を住民に分かり易く訴求されている。また、写真とイラストを効果的に用いて、訴求力のある紙面表現である。審査紙をはじめ他号の題字「あだち」デザインは、「だ」部分の濁点に様々なビジュアルが用いられ、視覚的なアイディアのある表現である。(長岡)
掲載紙面
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