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消費市場でのニーズの多様化や経済のグローバル化が進むなど、社会経済情勢変化のスピードは速く、変化に機敏に対応する力がないと、企業は生き残っていけません。
少子高齢化の影響で、中長期的に見ると若年労働者が不足し、労働人口は確実に減少します。働きながら親の介護を担う人も多くなっています。また、共働き家庭が主流となり、家庭や地域での役割を担いながら働く人が増加しています。仕事だけにずっと専念できる人は少数派になってきているのです。
企業が変化への適応力を蓄え、持続的に成長していくためには、女性・高齢者を含め多様な働き方のニーズをもつ人材を積極的に活かし、戦力としていくことが必要です。その手段として最適なのが、ワーク・ライフ・バランスを基本に据えた企業戦略なのです。

好不況にかかわらず、労働人口の減少は進んでいくことが予想されます。今のうちから来るべき次の時代への備えとしてワーク・ライフ・バランスを推進することは、経営戦略としても重要です。また、不況によって業務量が減っているときは、業務を見直し無駄を減らすよい機会にもなりうるという考えもあります。
不況によって業務量が減っているときは、むしろ今までの業務を見直す良い機会になります。この機会に業務を見直し、無駄を減らすことで生産性のアップを図ることができるかもしれません。また、生産性が向上することにより、従来の長時間労働が改善され残業代等のコスト削減にもつながります。将来を見据えた経営戦略としてワーク・ライフ・バランスに取り組みましょう。
労働人口が減少していく中、仕事と仕事以外の生活を両立できる環境にある会社は、若い世代にとっては魅力的なため、よい人材が集まってきやすく優秀な社員の確保につながります。
社員の仕事の満足度や意欲が高くなり、士気の向上や能力発揮につながると言われています。また、休業や自己啓発によるリフレッシュ効果や視野の広がりも期待できます。
ワーク・ライフ・バランスの推進で時間管理を徹底し、長時間残業を減らすことができれば、残業代を削減できるだけでなく、体調不良や長期休業の人を減らすこともできます。また、業務の効率化により生産性が向上し、「コスト削減効果が得られた」という例が多く報告されています。
ワーク・ライフ・バランス推進のコストは実はあまりかかりません。女性社員が出産後も就業継続する場合は、一般的にはむしろコストが小さく済むとみられます。
育児・介護休業や看護休暇、残業抑制策、短時間勤務制度などのワーク・ライフ・バランス施策に、人事評価制度の見直しや管理職のマネジメント力向上研修、業務効率化のためのIT導入、業務平準化のための新商品・サービス開発などの取組を合わせて実施すると効果的です。こうした取組にはコストがかかりますが、これはワーク・ライフ・バランス施策だけに必要な「経費」というわけではなく、経営上必要な「明日への投資」にほかなりません。

(資料)「企業が仕事と生活の調和に取り組むメリット」平成20年4月 男女共同参画会議 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会
ワーク・ライフ・バランス推進には、多くのコストがかかると考えている方も少なくありませんが、実際には、あまり費用はかかりません(上記6参照)。
また、従業員の少ない小さな企業だからこそ、個々の従業員の状況に合わせた柔軟な対応ができるという利点もあります。大企業であっても、現場レベルの運用は少人数で対応していますので、運用面での課題については、大企業と中小企業の差も、実はそれほど大きくはありません。今後の労働人口減少に向けて、優秀な人材を確保するという観点からも、自社の状況に合わせて少しずつでもできることから始めることが大切です。
ワーク・ライフ・バランスを進めることは、優秀な人材の確保・定着、従業員の仕事への意欲・生産性の向上につながります。両立支援策と人材育成策を併用すると、その相乗効果で、企業業績にプラスの影響が出るという調査結果もあります。((株)ニッセイ基礎研究所「両立支援と企業業績に関する研究会報告書」平成18年3月)また、効率的な業務管理や業務の裁量性を高め、女性も活躍できる風土を醸成するような職場マネジメントが、従業員のワーク・ライフ・バランスを高めると同時に生産性を高めるという調査結果もあります
(東京大学WLB推進・研究プロジェクト「働き方とワーク・ライフ・バランスに関する調査」(平成21年4月)。
長時間の労働は集中力を低下させ生産性は下がっていくと言われています。労働時間と業績は必ずしも比例するわけではありません。また、過度の長時間労働は、従業員の心身に悪影響を及ぼし、有為な人材を失うことにもなりかねません。
取組を始めようと考えたら、まずは、推進体制を検討することから始めると良いでしょう。体制と言っても、兼任で担当者を決めるケースから、独立した組織を作るケースまで様々な方法があるので、無理をせず自社にあった方法でスタートしましょう。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「4さあ、キックオフ!~体制づくりから始めよう~」参照≫
企業の取組としては、
○育児・介護休業や看護休暇などの「休暇・休業制度」の整備
○残業抑制策や短時間勤務制度、フレックスタイム制度などの「働く時間の見直し」
○在宅勤務などの「働く場所の見直し」
○結婚・出産で退職した女性の再雇用やパート等から正社員への転換制度等の「働くスタイルを選択できる制度」の整備
○結婚・出産等のライフイベントを考慮に入れたキャリア目標設定、研修・情報提供・ロールモデルの提示等の「キャリア・ライフプランニング支援」
○保育サービス費用補助・事業所内保育所整備、自己啓発費用補助などの「経済的支援等」 があります。
ワーク・ライフ・バランスの推進は、環境変化への適応、優秀な人材の確保、社員の意欲向上・定着、長時間労働の削減・生産性の向上につながるなど、投資効果の大きい人材育成です。企業と社員が「Win-Winの関係」(どちらにも利がある、と言う意味)になるということを説明しましょう。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「2経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス<経営者の方へ>、3ワーク・ライフ・バランスのゴールイメージ~企業も社員も共に元気に!」参照≫
効率よく働く意識の醸成、役職者の意識・ワークスタイル変革、業務・組織全体の見直し、取引先や顧客との調整・システム導入による情報の共有化など、課題に応じて様々な方法があります。
大別すると、きっかけづくりの取組や研修等での啓発事業など意識から変えていく方法と、残業手続きの厳密化など制度から変えていく方法があります。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「5お悩み別ワーク・ライフ・バランス実践プログラム~その1 残業が多く、仕事の生産性・効率が低い~」参照≫
制度利用しやすい環境づくり、育休復帰後の柔軟な勤務体系の整備、通常の働き方の見直し・休暇取得促進、キャリア形成支援の実施、ロールモデルの提示など、課題に応じて様々な方法があります。
また、育児中の女性に限らず、すべての社員が多様な働き方を選択しやすい環境であれば、女性も育児休業や短時間勤務を気兼ねなく取ることができます。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「5お悩み別ワーク・ライフ・バランス実践プログラム~その2 女性社員が出産を機に辞めてしまう~」参照≫
女性社員の裾野を広げる取組、管理職予備軍への動機づけ、登用した管理職女性へのフォロー、管理職のあり方の検討など、課題に応じて様々な方法があります。
また、男性の上司と部下や男性管理職同士が、社外の飲み会などで、意思疎通や情報共有を行う慣行があると、意図せずとも、女性管理職が疎外されてしまいます。必要な情報や交流が、業務内でとれるような支援も必要です。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「5お悩み別ワーク・ライフ・バランス実践プログラム~その3 女性管理職や管理職候補者が育たない~」参照≫
社員のニーズに即した(法定を超えた)取組、制度の周知・利用促進のための工夫、将来のニーズを想定した検討など課題に応じた様々な方法があります。
中高年世代は、若い世代よりも休むことへの抵抗が強い傾向があります。介護は長期にわたり、しかも先の見えないケースも多くあります。相談機能等を高めることや、社内の情報ネットワーク等の整備により、心理的な支えあいも重要です。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「5お悩み別ワーク・ライフ・バランス実践プログラム~その4 親の介護で悩む社員がいる~」参照≫
社員のワーク・ライフ・バランスの見直し及び満足度向上に向けた取組、会社の方針・制度の周知、キャリアプランニング支援、社外へのアピールの強化など、課題に応じて様々な方法があります。
近年の新入社員を対象とした意識調査をみると、仕事と生活の調和が可能な会社かどうかということも、学生の選択理由のひとつとなっているようです。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「5お悩み別ワーク・ライフ・バランス実践プログラム~その5 若い社員が定着せず、採用にも人が集まらない~」参照≫
職場環境の改善によるストレス低下のための予防的取組、メンタルヘルス対策など、課題に応じた様々な方法があります。
精神的疾患やストレスの要因は、複数(職場、家族、個人等)重なっていることが多く、必ずしも原因が会社にあるとは限りませんが、職場で取り組むべきこともあります。ワーク・ライフ・バランスが取れていないと感じる人は、精神的な落ち込みや憂鬱を感じる人が多いという調査(※)もあります。
※東京大学社会科学研究所「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査2007」
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「5お悩み別ワーク・ライフ・バランス実践プログラム~その6ストレスやうつで休みがちな社員が増えている~」参照≫
すべての施策を制度化しなければならないわけではありません。自社の状況に応じて必要な制度を整えていけばよいでしょう。また、制度を整えただけでは十分ではありません。制度が利用しやすい職場風土づくりが重要です。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「6ワーク・ライフ・バランスを定着させるための風土づくり その1 推進担当者の方へ」参照≫
制度を整えただけではワーク・ライフ・バランスの推進を図ることは難しいでしょう。整えた制度をきちんと利用できるような職場の風土づくりが重要です。ワーク・ライフ・バランスの取組を運用する上では、推進担当者と職場管理職とのコミュニケーション、そして、管理職と部下とのコミュニケーションが欠かせません。また、制度を利用したことによるキャリアロスなどの不安を取り除く評価の仕組みを構築し周知しましょう。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「6ワーク・ライフ・バランスを定着させるための風土づくり その1 推進担当者の方へ」参照≫
東京都では、「事業所内保育施設支援事業」や「東京都中小企業両立支援助成金」など様々な支援を行っています。また、各区市町村、国においても多くの支援制度があります。詳しくは支援制度のページをご覧ください。
現在の厳しい経済状況においては、「今の不況を乗り切るにはワーク・ライフ・バランスなんてやってられない」という声がよく聞かれます。
しかし、不況を機に、ワーク・ライフ・バランスを推進して優秀な人材を確保したり、大胆に仕事の見直しを進めている企業もあります。アメリカなどにおいても、不況期にワーク・ライフ・バランス実現の視点から仕事の見直しが行われ、コストの削減や就業率の回復などにつながりました。
中長期的に見れば労働人口は確実に減少し、若年労働力は不足します。変化への適応力を蓄え、持続的に成長していくためにも、不況期にこそワーク・ライフ・バランスを推進し、企業の魅力度を高めておきましょう。
ゴールとなる目標を社内で設定し、客観的にワーク・ライフ・バランスの現状や進捗状況をチェックしていくことは重要であり、社員に明確なメッセージを発信することになります。内閣府の「仕事と生活の調和推進のための行動指針」では年次有給休暇取得率、育休取得率(男女)、女性の継続就業率など14項目について、日本の現状と5年後(2012年)、10年後(2017年)の目標値を示しています。
また、学習院大学経済経営研究所が開発した「WLB-JUKU INDEX」は、ワーク・ライフ・バランス政策・制度の作成から社員のワーク・ライフ・バランスの実現までの一連のプロセスを評価できる総合的な指標です。
これらの指標を参考に企業の特性やワーク・ライフ・バランスの推進状況などに応じて目標を定めてください。
育児休業中の賃金の支払いについては、育児・介護休業法では特に規定されていませんが、雇用保険法に基づき、休業前賃金の50%の育児休業給付金が支給されることになっています。この育児休業給付金は、就業期間など一定の要件を満たした雇用保険の一般被保険者が、育児休業を取得したことを理由に賃金が一定水準を下回った時に支給されます。
さらに、男女を問わず、安心して育児休業を取れるよう、労使の話し合いで雇用保険の育児休業給付金に加えて、短期間の休業については有給とするなど、制度の充実を図っている事業所もあります。(平成20年度東京都男女雇用平等参画状況調査によれば、全体の8%。)
また、育児・介護休業法の改正に伴い、父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月(現行1歳)までの間に、1年間育児休業が取得可能となったり(パパ・ママ育休プラス)、父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業が取得可能となるなど、父親の育児休業の取得促進も進められています。
こうした実態を踏まえ、各社の状況に応じた制度設計や労使の話し合いを進めてください。
≪参考≫
育児・介護休業法の改正をはじめ、育児・介護と仕事の両立については法整備などが進められており、男性・女性を問わず法の要件を満たす場合は育児・介護休業を認めなければなりません。休業申し出及び休業後の就業が円滑に行われるようにするための方法としては、第一に休業期間中の代替要員の確保が考えられます。休業期間は基本的にノーワーク・ノーペイですので、コストが増加するということはありません。また、代替要員の確保などの両立支援に関しては、東京都等の支援制度もあります。(下記≪参考≫参照)
また業務の円滑な運営のためには、休業者が出たときに職場に大きな負担がかからないよう、社員が休業したり、家庭の事情などで有給休暇を取得することなどにも配慮した社員の配置や業務分担、急な休みでもスムーズに業務を引き継ぐためのチーム内の情報の共有化、業務を複数の社員が行えるようにする多能工化の推進など、あらかじめ職場の基盤作りを行っておくことも重要です。
≪参考≫
医療の現場は、ワーク・ライフ・バランスの推進が最も難しい職場の一つであるという側面があることも事実ですが、24時間稼動でシフト制を敷いている工場ラインや小売店舗においてワーク・ライフ・バランスを推進している民間企業の取組で、参考になる事例もたくさんあります。
実際に近年、優秀な医師、看護職の離職防止や人材確保の観点から、医療機関こそワーク・ライフ・バランスの実現が必要との機運も生まれてきており、各種の調査や取組が始まっています。医療機関だけでなく、民間企業の先進事例なども参考にしながら、取組を進めていくことが求められています。
≪参考≫
・WLB INDEX(医療版)調査(学習院大学経済経営研究所)
・北原脳神経外科病院(平成20年度東京ワークライフバランス認定企業)
・萩市民病院(「次世代のための民間運動~ワーク・ライフ・バランス推進会議~」平成21年第3回ワーク・ライフ・バランス大賞優秀賞)
まず、フルタイム正社員とは法による定義等はありませんが、一般に、1日の所定労働時間が8時間程度で週5日勤務を基本とする勤務で、期間の定めのない雇用契約を結んだ労働者をいいます。
短時間正社員とは、フルタイム正社員と比べて所定労働時間(所定労働日数)が短いながら、正社員としての待遇(期間の定めのない雇用契約、フルタイム正社員を基準に就業時間に比例した賃金などの待遇)を得られる労働者を指します。「短時間正社員制度」は、育児・介護だけではなく、ライフステージに応じた多様な働き方を可能にし、ワーク・ライフ・バランスの推進や優秀な人材の確保に寄与する制度として注目されています。
一方、通常、パートタイマーといわれるのは、パートタイム労働法で「一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者より短い労働者」と定義される短時間労働者のことで、職務の内容や責任の程度、人事異動・転勤の有無や範囲が通常の労働者(正社員)と同一で、期間の定めのない労働契約を結んでいる場合(実質的に無期契約となっている場合を含む)は、短時間労働者であることを理由として、賃金等の待遇について、通常の労働者と差別的な取扱いをしてはならないとされています。
従って、短時間勤務であるという点では、短時間正社員とパートタイム労働者は同じですが、通常、パートタイム労働者は、期間の定めのある労働契約(有期雇用)を結んでいること、職務内容や人事異動の有無や範囲が正社員と同一ではないことから、正社員とは異なる賃金等の待遇を受けることになります。
パートタイム労働法では、登用試験などによりパートタイム労働者が正社員に転換するなどの機会を整えることが事業者の義務とされています。
短時間正社員の導入やパートタイム労働者の処遇等の決定については、下記Webサイトを参考にしてください。
≪詳しくは≫
確かに、子育て中の社員が短時間勤務や子の看護休暇などの制度を利用すれば、ある程度の負担を他の社員が負うことになるかもしれません。しかし、少子化対策の観点からも、働きながら子育てができる環境というのは非常に大切です。皆で子育てを応援しようという雰囲気を作ることが、管理職やワーク・ライフ・バランス推進担当者には求められます。子育て以外にも、今後は親の介護など、誰もが直面するかもしれない問題もあります。社員が多様な働き方を選択できるよう、お互い様意識の醸成を図りましょう。
また、制度利用者が出たことをきっかけに、業務内容を整理して無駄な仕事をなくすとともに、職場内でのサポート体制を整えるためにメンバー各人の仕事を「見える」化しましょう。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「6ワーク・ライフ・バランスを定着させるための風土づくり その2 管理職の方へ」参照≫
ワーク・ライフ・バランスは、子育て中の社員など特定の社員のためのものではなくすべての社員のために推進するべきものです。少子高齢化が進む中、育児だけでなく、特に介護問題に関しては誰しもが直面することになる可能性があります。
短時間勤務や在宅勤務など多様な働き方を導入する上で、仕事の配分や評価について、社員間の公平性が重要になります。職場内で「納得感」を得られるような制度の運用をこころがけましょう。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「6ワーク・ライフ・バランスを定着させるための風土づくり その2 管理職の方へ」参照≫
ワーク・ライフ・バランスは男性・女性にかかわらず、あらゆる年代すべての人に必要なものです。若手社員の中にも、今は仕事に集中する時期と考えて、仕事中心の生活を選択する人もいるでしょうし、自己研鑽や社内外のネットワークづくり、趣味などのために仕事以外の生活に時間を割きたい人もいるでしょう。将来子育てや介護にかかわることになる可能性があることを知ってもらう必要もあるでしょう。社内でお互い様意識が広まるようワーク・ライフ・バランスの意味を周知することが大切です。また、他の人のワーク・ライフ・バランスのために、仕事をサポートした人をきちんと評価することが大切です。
休業中仕事を離れていると、ブランクを不安に感じることもあると思います。そこで企業はそのような社員の不安をできるだけ取り除くために、休業中も社員と定期的にコミュニケーションをとることが大切です。休業前後の社員を対象としたセミナー等を開催することも効果的です。
また、復帰明けは時間の制約があるため、タイムマネジメントと危機管理能力がアップし休業前と比べてむしろ生産性は上がったという声も聞かれますし、休業中の子育て中心の生活が仕事にプラスの影響を与えることもあります。
ワーク・ライフ・バランスを推進していくためには、単に働いている時間の長さではなく、効率を加味した時間当たり生産性により社員を評価することが不可欠であり、現場管理職のマネジメント力が求められます。そのためには、部下の業務量や業務内容、業務遂行能力を把握することが必要です。
定期ミーティングやスケジュールの共有化などを通じて、業務量や業務内容を把握するとともに、仕事の成果を通じて、業務遂行能力を的確に評価するなど、現場管理職としてのマネジメント能力の向上に取り組むことが重要です。
ワーク・ライフ・バランスを推進するためには、社内の雰囲気や制度の有無など環境によるところが大きいですが、個人でも取り組めることはあります。例えば、自分の業務を今一度見直すことによって無駄を省き、長時間残業を減らすことができます。それによってできた時間を子育てや地域活動、趣味、自己啓発などにあて、様々な価値観に触れることで今までにないアイデアが浮かぶなど、仕事にも好影響を与えます。
更に、メリハリのある充実した生活をおくり、イキイキしているあなたの姿を見て、周囲の人々の意識も変わってくるかもしれません。ワーク・ライフ・バランスの実現には働く人々の意識を変えていくことが重要です。社内全体の意識が変われば制度もできていくことでしょう。まずは自分のできることからチャレンジしてみてください。
子育て中は、子どもが熱を出したため急に休暇を取ったり早退したりと、時間的制約を受けることが多くなります。その分、普段から効率を意識して仕事に取り組み、生産性をあげる努力をしましょう。
また、サポートしてくれる周囲の人たちに感謝の気持ちをきちんと伝えることが大切です。周囲とコミュニケーションを密にとり、一生懸命取り組む姿を見せれば、周囲の人の理解も得られやすくなるでしょう。
どうしても仕事から離れることができないときは、一時保育などの支援を行っている自治体もあるので活用することもできます。(参考:とうきょう子育てスイッチ)
なによりも、諦めない気持ちを持ってチャレンジすることが重要です。
制度を利用する社員本人も、制度だから利用して当然という態度を取るのではなく、サポートしてくれる周囲の人たちに感謝の気持ちをきちんと伝えることが大切です。
加えて、これまで以上に効率的な働き方を意識して仕事を行わなければならないので、タイム・マネジメントのスキルを身につけるなど自らの努力も必要です。
そして上司や同僚とコミュニケーションを密にとり、自分で無理をして抱え込まずに必要なときは助けを求めましょう。一生懸命取り組む姿を見せれば、周囲の人の理解も得られやすくなるでしょう。
≪詳しくはワーク・ライフ・バランス実践プログラム「6ワーク・ライフ・バランスを定着させるための風土づくり その3 社員の方へ」参照≫
監修:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
矢島洋子氏、塚田聡氏